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★★飯塚市の現状から未来を考える★★飯塚市議会議員兼本芳雄のブログです‼

限りある税金、優先順位をどう考えますか?

私たちの税金はどう使われているのだろう? 
地域経済について考える -2- コロナウイルスと闘う

 

 

 

 独自の応援金で経済支援を決断。飯塚市

4月14日、片峯市長は記者会見を開き、コロナウイルスで経営が悪化した事業者などを対象に、「応援金」のような支援で飯塚市独自の経済政策を検討していると発表しました。

翌日、飯塚市議会は、全員協議会でその説明を受けました。

現在支援の内容や規模、対象事業者を検討中とのことで、5月の連休明けには支援内容が明らかになります。

個人的にはもっと早く支援内容を明らかにし、早期実現を望みますが、今回の市長の決断には敬意を表します。

限りある財源を有効に活用するので、福岡市のように具体的な対策が示せなかった訳ですが、「応援金のような形で支援する」と迅速に発表したことで、事業者の不安は、少し解消できたのではないかと思っています。

 

経済支援の財源は財政調整基金

財政調整基金とは聞きなれない言葉ですが、皆さんご存知でしょうか?


財政調整基金とは何だろう?

特定の目的のために資金を積み立て、財産の維持や事業費の財源などに充てるために準備する貯金のようなもの。


この貯金はいつ活用するんだろう?

経済不況等による大幅な税収減によって収入が不足したり、災害の発生による多額の経費の支出が必要になるなどの不測の事態が発生した時に活用します。

 

飯塚市の財政調整基金の状況を見てみましょう。(区分で1番上の項目)

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飯塚市基金状況表 (単位:千円) http://www.city.iizuka.lg.jp/zaise/documents/02_r02yosannsiryou.pdf  64ページ参照


令和1年度年度末残高は約73億円。令和2年度当初予算で歳入に繰入した金額約26億円

ということは差引約47億円が今回のコロナ対策に使える財源となります。

 

しかし、考えてみましょう。

飯塚市は、毎年といっていいほど出水期に水害被害が発生しています。

今年も発生するかもしれない…

その時のためにこの基金は必要ではないか…

コロナに全部使い切っていいのだろうか…

 

飯塚市長をはじめ執行部は、この限りある貯金を有効に活用するための手段を真剣に考えているはずです。

そのような理由で具体的な支援方法がまだ発表できないのだと思っています。

しかし、早期に支援することが飯塚経済に必要です。

飯塚市の知恵と力を結集していただき、早期の支援策の発表を期待しています。


ところで、飯塚市の財政調整基金はどう推移しているのでしょう。

今後のことを考えると、貯金できるときに貯金しないと不測の事態が発生した時、困りますよね。

じつは飯塚市では、平成22年度から27年度までは、将来の公債費に備えた、減債基金及び普通交付税合併算定替終了を見据えた、財政調整基金への積立を行うことができましたが、平成28年度から貯金を少しずつ取り崩しているのが現状です。

そこに今回の新型コロナウイルス感染症が発生し、緊急事態宣言が発効されました。

今回の経済支援等で基金は取り崩しをしなければなりません。

もしかすると長期間の取り崩しが必要になるかもしれません。

しかし、切り崩す財源にも限りがあります。

 

私の市政への考えを述べさせていただきます。


令和2年度事業には体育館建設などの大型公共工事が計画されています。

新体育館工事に関しては新聞でも取上げられましたが、2回入札が中止されています。

入札者が2回とも辞退し、入札が中止となったのです。

1回目は予定価格約25億8900万円で入札を予定。

入札業者すべてが辞退。

辞退理由は予定価格と実勢価格が合わないとのこと。


2回目に関しては1社を除いてすべてが辞退。

市は、2回目の予定価格について「外部の設計会社に委託し、(市が)精査しており問題はないとみていた」と説明しています。

ということは、残りの1社は辞退しなかったのですから、市の予定価格で入札可能だったのではないでしょうか?

しかし、飯塚市の内規では参加業者が1社の場合、入札はできないことになっています。

そこで入札は中止となりました。

何かおかしいと思いませんか… 

私は納得がいきません。


そして4月3日、3回目の入札が公告されています…


新体育館は同市鯰田に新設する計画で、総事業費約46億円です。

このうち約12億円は国からの交付金を充てる方針です。

また、期限について条件付きですが、返済が有利になる制度も利用する予定です。


今年度は、約46億円のうち25億949万5,000円を予算に計上。

財源内訳

国県支出金  6億7,895万1,000円 (27.05%)

地方債    16億4,600万円     (65.60%)

一般財源   1億8,454万4,000円 (  7.35%)

 

飯塚市のコロナ対策と今年度の大型公共工事費を家庭に例えてみます。

働き手である夫婦が病気をしてしまい、いつ仕事に復帰できるか先行き不透明な状況です。

収入も無くなるかもしれないので、貯金を切り崩す生活が始まります。

実はこの家庭、マイホームの建築計画中ですが、予算が合わずになかなか計画が進んでいません。

計画中の住宅メーカーで今月お得なキャンペーンを行っています。

このキャンペーンを利用すれば、予算内でマイホームを建てることができると考えています。

 

ここで、体育館建設費の財源内訳比率を当てはめ、この家庭のマイホーム建築計画を考えてみます。

 

建築予算を約3,000万円とします。

その資金計画の内訳は、

親からの援助 811万円 (国県支出金 27.05%)

銀行融資  1968万円 (地方債   65.60%)

自己資金   221万円 (一般財源    7.35%)

 

無理して今、マイホームを建てると、すぐに融資の返済が始まります。

しかし、夫婦がいつ復帰できるかもわかりません。

夫婦が復帰しない限り家計の厳しさは増すばかりです。

生活は貯金を切り崩すしかありません。

 

確かに今月のキャンペーンを利用できればマイホーム建築計画は実現するかもしれませんが、このような状況では、いったんマイホーム建築計画を延期し、自己資金部分、221万円は生活費に充てようと考えませんか?

それとも今、キャンペーンを利用してマイホームを建てる計画を進めますか?

 

私は、新体育館の入札を延期することも一つの選択肢だと思っています。

理由は、例えコロナが終結しても、飯塚経済にどのような影響を与えるのかわからないこと。

自然災害が起こり得るかもしれないこと。

そして何よりもコロナがこの先どうなるかわからない状況だからです。

今は、コロナウイルス対策に使える財源が必要なのです。

コロナウイルスは災害有事です。


市民の命や生活を守ることが優先です。

国の支援だけではすべての市民をコロナから守れないと思います。

新体育館工事は、コロナが終息してからでも遅くはないと考えています。

事業を延期して、市民の支援に、その税金を活用すべきではないでしょうか。


皆さんはどう思われますか?

 

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